「古典的条件付け」とは心理学の用語のひとつです。レスポンデント条件付けとも呼ばれます。
パブロフの犬をご存知でしょうか?
犬にエサを見せると勝手に唾液が出ます。次にエサを与える前に鈴を鳴らし、その後にエサを与えることを繰り返します。すると、鈴が鳴っただけで唾液が出るようになります。
エサを見せると、唾液が出るのは生理的に必ず起こることです。
一方、鈴は本来、唾液とは結びついていませんが、エサと一緒に呈示することで鈴を鳴らすだけで唾液が出るようになります。
これが古典的条件付けですが、人の睡眠での具体例をご説明します。
布団やベッドで、スマホをいじったり、眠れないからと考えごとをずっとしたりしますよね。すると、スマホでの覚醒状態、考えごとをするときの「考えごとモード」が、布団やベッドという場所と結びついてしまいます。なので、本当は布団やベッドと「寝る」が結びついてほしいところですが、布団やベッドに入ると覚醒状態や「考えごとモード」になってしまい、不眠へとつながることがあります。
そのような状態になってしまった場合、どうするのが良いかというと、しばらく横になっても眠れないと思ったら、いったん寝床を出て、眠くなるまで寝床に戻らないようにします。そうすることで、「寝床=眠る場所」という結びつきに戻すことができます。
また、赤ちゃんでの具体的もお伝えします。ホワイトノイズという「ザー」というテレビの砂嵐のような音を聞かせると、他の物音をかき消してくれて、よく眠るというように言われています。ですが、「ホワイトノイズ=眠る」が結び付いてしまい、ホワイトノイズがないと眠れなくなる可能性があります。ですので、ホワイトノイズの使用は、赤ちゃんにも成人の方にもおすすめしておりません。
今回は古典的条件付けについてご説明いたしましたが、いかがでしたか?
「眠る」ということは、生理的な欲求のひとつですので、古典的条件付けが関係してくるのですね。