作業療法士向け

精神科で作業療法士として働きだしたときの感想

 

前回は精神科で作業療法士として働くことになったきっかけをご紹介しました。

今回は、精神科で実際に作業療法士として働きだしてからどう感じたかをお伝えしたいと思います。

担当の患者さんが多い

前回もお伝えしましたが、私の長期実習のときのイメージとしては、「患者さんと一緒に塗り絵などをして楽しく過ごすことができる」、「余裕がある」でした。

実際、長期実習のときの私は、身体障害分野での実習に比べてかなり余裕があるものでした。

しかし、実際仕事となると全然違いました。

まず担当にもつ患者さんの数です。実習のときは担当が2人だけでした。

しかし、仕事になると少なくとも常時50人以上はメイン担当として患者さんをみていました。

2人が50人ですよ。それはまぁ全然違いますよね笑。

実際はメインで担当についている人だけではなく、プログラムで担当している患者さんもおられますから、もっと数は増えます。

担当の患者さんの分だけカルテを書いたり、計画書を書いたりしなくてはいけません。

プログラムをまわすのが大変

実習のときは、ただプログラムに入って一緒に患者さんと楽しんでいることが多かったのですが、今度はプログラムの運営側です。

実際に見ているよりもプログラムを回すのは非常に大変でした。実際プログラムの時間は2時間ですが、準備が大変でした。

一番大変なのは料理。

家事でも一番比重がくるものですが、プログラムとしても買い出しに行ったり、下ごしらえが必要なものはしたり、片付けをしたりと大変です。

病棟外に出られる人だったら、一緒に買い出しをするのをプログラムに組んだりすることも可能ですが、病棟で行うものに関しては、片付けをする水場もないし、自分で全部しなければなりません。

病棟レクや認知リハの内容を考えるのも大変でした。実際にプログラムをする時間よりも、準備のほうがプログラムを回すという点だけで考えると大事でした。

病院のなかで作業療法士は少数派

作業療法士の人数は全員で10人くらいでした。

やはり人数が多い看護師さんは病院のなかで圧倒的な力を持っています。

作業療法士が意見を言ってもなかなか通りません。

作業療法士の中でも一番上の役職の方があまりものを言わない方だと、なおさらです。

しかも、人数が少ないのでよりリーダーに適した人がトップということではなく、年功序列で役職が回っていくのでなんとも頼りない…という感じでした。

また、作業療法士の人数が少ないなかでもプログラムは極力回さないといけません。

自分の持っているプログラムを休みにすることはできますが、他のプログラムに変わりに出る、などとなると他の作業療法士にも迷惑がかかります。

点数を稼がないとOT(作業療法)部門としての経営にも関わります。

となると、なかなか休みにくかったです…。

患者さんも症状の重い人がたくさんいる

これが一番大変だと感じたことです。

私が出来のよくない学生だったのもあって、あまり見えていなかったのですが、やはり精神科というものは自殺企図があったり、自傷する人がいるということを改めて感じました。

実際、働きだしてすぐくらいの頃は、「死のうと思ったことがある」と話された患者さんが土日に外泊訓練をするときはかなり心配でした。

自分も土日なので休みだったのですが、無事に病院に帰ってくるか心配で、ずっと考えてしまってしんどくなったりしていました。

経験を積んでくると、そういう心配もあるにはあるのですが、休みの日の頭の中のそれの比重は少なくなりました。

きっとそういう方の人数が多すぎて、考えていられなくなったのと、慣れもあるのでしょう。

【まとめ】やっぱり働くって大変!

実際に働きだしてからのギャップはかなりのものでした。もともとの就職するまでのイメージがかなり緩かったので、衝撃的でした。

しかし振り返ると、働きだした頃というのは結構前になるので懐かしく思います。

今日もお読みいただき、ありがとうございました。